三重県の県境に位置する小さな村“島ヶ原”
この地で120年以上に渡り、初志を貫いた方法で
極上のお醤油を製造されている蔵があります。
“福岡醤油店”
原価の調整、製造の効率、当てつけの食味
結局、企業としての利益を考え、様々なお醤油が生まれては
消えていく昨今の流れの中で、福岡醤油店さんは
120年前の創業当時からの製法を何一つ変えることなく
“リアルなお醤油”を後世に語り繋ぐべく
高い志で日々のお醤油の製造に精を出しておられます。
代表とされるお醤油がこの"はさめず"
おかずになるくらい美味しい、でもおかずみたいに
お箸で挟んで食べることが出来ない、なので"はさめず"
丸大豆と脱脂加工大豆
(左:丸大豆 右:脱脂加工した大豆)
福岡醤油さんの何がよそと違うのか。
まず、国内のお醤油の原料となる大豆の種類を見てみましょう。
脱脂加工大豆 82%
輸入丸大豆 17%
国産丸大豆 1%
なんと、国産丸大豆を使ったお醤油は全体のたった1%と
言われており、その大部分は脱脂加工大豆、つまり豆の搾りかすを
使っての製造がされていると言われています。
脱脂加工大豆とは
脱脂加工大豆とは大豆に圧力をかけ油を搾りだした後の残りカスです。
全国様々な大豆のB品をかき集め油を圧搾した後の残りの大豆。
聞こえは悪いかもしれませんがタンパク質はしっかりと残っており
これを使えば旨味のあるお醤油を作ることも可能ではあります。
“じゃあ丸大豆じゃなくて脱脂加工大豆でええやん”
と、思いますよね?
実は脱脂加工をする際にヘキサンを使って油分を溶出させる工程があり
このヘキサンがちょっと厄介。
簡単に言えば“ベンジン”という名前で染み抜き剤として売られているアレです。
もちろん致死量を使用するわけではないのですがやはり気になるところ。
最初に油を抜いておけば水分がしみ込みやすくなり、お醤油の
製造においても時間短縮になるためこの脱脂加工は非常に支持されてはいますが
遺伝子組み換えに目を見張るのと同じくらい重要な部分だと思います。
その反面丸大豆はどうかというと脱脂加工していないので発酵中に大豆の油分が
醤油の表面に膜として表れるわけですが、その油膜が空気と醤油の接触を妨げ
発酵における酸化を防ぐので長期発酵が可能という大きなメリットがあります。
つまり長期間に渡って発酵させて場合に本物のお醤油を作る場合
この油膜はかなり有効なわけで丸大豆を使う理由は
ここに重要性の大部分が集約されています。
国内のお醤油のわずか1%にあたるものだけがこのこだわりを貫き
お醤油本来の美味しさを追及されているというわけです。
福岡醤油店だけの武器
なぜ当店が数あるお醤油の中から福岡醤油店さんを選ぶのか。
福岡醤油店さんの長年の営みの中で生まれた財産、それは
120年もの間、使い続けた蔵や器具のいたるところに住み着いた“酵母菌”
発酵食品である以上、発酵を促す酵母菌の働きこそが
お醤油の味わいに大きな影響を及ぼすとともに
酵母菌こそがお醤油の要であると言えます。
120年かけて住み着いた酵母菌の代わりになるような技術は
この現代においてもまだ登場しておらず、真のお醤油を語るうえで
この酵母菌は絶対不可欠、なくてはならないものなのです。
前述した丸大豆を使い、油膜で酸化を防ぎながら
酵母菌と力を合わせて焦らずゆっくりと発酵させていけば
トゲや辛味が全くなく、まろやかで優しい甘味のある
本物のお醤油が完成するわけで、この製法こそが
お醤油がお醤油でいられる所以ともいえるわけです。
普段のお料理が格段に美味しくなる
取り上げたのはとてもとても地味なこだわりですが
ゆっくりじっくり時間をかけて作るものだからこそ
誰にも見えない気づかれないような部分に
最新の注意を払う事で最高のお醤油が完成することを
福岡醤油店さんは他のどのメーカーさんよりも
熟知されています。
お醤油を使う料理はどんな形であれお醤油が
味の決め手となるものが多いと思います。
お醤油を変えるだけで“料理の腕あがったんちゃう?”
そう言われるほどの美味しさを秘めた本物のお醤油です。
甘みとまろやかさ、でも主張を忘れない。
濃口醤油なんかはそれこそたまり醤油のような
優しく甘い食味でお刺身などにも使えますし
薄色のお醤油は嫌な雑味などは一切感じられない
キリっとした大豆の発酵による塩味が実感できます。
あえてこれを卵かけごはんに使うのもオススメ。
煮炊きものでの力の発揮具合も最高です。
テレビなどでも取り上げられたため
しばらく入手困難でしたがようやく
当店にも少しずつ入荷するようになりました。
是非
"本物のお醤油"を一度お試しください。
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